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2024.04.05

住宅購入は性能重視の時代に!省エネ基準適合義務化で変わる住宅選び

住宅購入は性能重視の時代に!
省エネ基準適合義務化で変わる住宅選び

今回のブログは2025年4月から始まる「省エネ基準適合義務化」について詳しく解説します。
新築住宅・非住宅における省エネ基準の義務化が、全面的に実施されることで、建物の断熱性能やエネルギー消費量に対する基準が一層強化されます。
この法改正は、持続可能な未来を目指す一環として位置づけられ、環境への負荷軽減や資産価値の向上にも寄与することが期待されます。
では、具体的に何が変わるのか、詳細に見ていきましょう。

(1)対象となる住宅と省エネ性能基準適合義務化

2025年4月から、省エネ基準適合義務化により、すべての新築住宅・非住宅がその対象となります。

これは、2025年の法改正により、従来は300㎡以上の大・中規模非住宅にのみ適用されていた省エネ基準適合義務が、全ての新築住宅・非住宅に拡大され、義務付けされることとなります。

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また、この適合義務化は建造物の省エネ性能を強化するとともに、2050年までに「カーボンニュートラル」を実現するための取り組みのひとつでもあります。
2023年の現状では新築住宅・非住宅は基準を満たす必要はありませんが、来年2025年4月からは原則、すべての新築住宅に対して省エネ基準適合が義務付けられます。

では、義務化される省エネ基準とはどのような基準なのでしょう。
ひとつは、「断熱性能」、もう「一つはエネルギー消費量」でともに等級4以上の認定が必要となります。

1.断熱等性能(外皮性能)=等級4以上

断熱等性能等級(断熱等級)とは、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に規定された住宅の断熱性能がを表す等級のことで、国土交通省が制定しています。
等級には、1~7の7段階あり、数字が大きいほど断熱性が高いことを示します。
2025年4月からは等級4以上が義務化され、さらに、2030年には等級5以上が義務化される予定です。

断熱等級図

 

2.一次エネルギー消費量=等級4以上

一次エネルギー消費量とは、住宅で使用するエネルギーの総消費量のことで、基準値と照らし合わせて削減量を評価します。
エネルギー消費量を評価するのは、暖冷房・換気・照明・給湯・その他設備のエネルギーの5つです。
具体的には「設計一次エネルギー消費量」÷「基準一次エネルギー消費量」で求められる”BEI”という数値で等級が決まります。
BEIが小さいほどエネルギー消費量が少なく、等級は高くなります。

現状の住宅で省エネ基準を満たす住宅の例としては、以下の住宅が該当します。

ZEH(ゼッチ)住宅:省エネと創エネで、年間の一次エネルギーの消費量を実質ゼロ以下にする住宅を指します。

認定低炭素住宅:省エネ性能とともに、二酸化炭素(CO2)の排出抑制のための対策が整備されている住宅を指します。

LCCM住宅:住宅の建設、運用(居住)、廃棄までの全ての過程通して、二酸化炭素の収支をマイナスにする住宅を指します。

性能向上認定住宅:法律にもとづいて認定された、断熱性や設備の基準を満たす住宅を指します。


(2)省エネ基準適合義務化で変わること3つ

 

1.住宅購入者はより住宅性能重視の購入が強まる

2025年の義務化が開始されれば、住宅購入者はより省エネ性能の高い建物を求める傾向が強まる可能性があります。
省エネ性能の高い住宅を求めることで、新築住宅の建築費用や維持管理費用に一定の影響が生じる可能性があります。
さらに、建築確認申請や完了検査の手続きが、今より厳格化される可能性があり、審査や手続きに時間がかかることで住宅設計、施工、引渡しまでの工期が長期化する場合も考えられます。

2.新たに適合検査が実施される

2025年4月より着工する住宅に関して、適合性審査が実施されることになります。
審査は建築確認手続きの中に、「省エネ基準への適合性審査」が行われ、基準を満たしていない場合、次の工程へ進めません。
建築主は、省エネ性能確保の計画書を所管行政庁か「登録省エネ判定機関」への提出が必須となります。
書面の整備が出来ていない、適合性審査に不合格となると、着工できません。


3.住宅「省エネ性能表示」の一般化

今年、2024年の4月からは、「建築物の省エネ性能表示制度」がスタートします。
この制度は、住宅や建築物を販売・賃貸する事業者は、省エネ性能ラベル(下記画像)表示が努力義務となるもので、表示は新聞・雑誌広告、チラシ、パンフレット、インターネット広告などが対象となります。
ラベルの種類は、評価方法や再生エネルギー設備の有無などによって異なりますが、この省エネ性能ラベルは「省エネ性能基準適合化」内容にも対応しています。
ラベルは、一次エネルギーや断熱性能などを星や数字で表示し、消費者にとって分かりやすくなり、省エネ性能を把握しやすくなっています。物件表示や住宅価値の証明としての普及も推進されると思います。

省エネ性能の表示例

また、省エネ基準の義務化により、建築物のエネルギー消費量が削減されることで、環境への負荷が軽減される効果が期待されます。
さらに、省エネ住宅はその価値が向上し、資産価値を維持できるメリットも期待できるでしょう。

まとめ

2025年4月から始まる省エネ基準適合義務化は、新築住宅・非住宅のエネルギー効率を飛躍的に向上させ、環境負荷軽減に大きく貢献します。
住宅購入者は性能重視の傾向が強まり、建築申請や適合検査が厳格化される一方、省エネ性能表示の普及により、消費者は住宅性能を容易に把握できます。
省エネ住宅は、持続可能な社会への道を開き、資産価値の維持、向上にも繋がるでしょう。


参考: