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住宅設計ZEHBELS

2024.03.01

家を建てるなら知っておきたい! BELSが示す住宅性能とは

家を建てるなら知っておきたい! 
BELSが示す住宅性能とは

近年、地球温暖化対策やエネルギー問題への関心の高まりから、省エネ住宅への注目が高まっています。
そんな中、建築物の省エネルギー性能を評価・認定する制度として、「BELS(ベルス)」が注目されています。
住宅建築に関心のある方や住宅の省エネに興味のある方にとって、BELSは住宅建築や住宅選びにおける重要な指標となるでしょう。
今回のブログでは、BELSの概要からBELSの表示内容やそのメリットまで、BELSに関する情報を詳しく解説します。

(1)BELSは建築の性能を示すための制度

日本政府は2050年のカーボンニュートラル実現のため、2025年以降に新築住宅に省エネ基準適合が義務化されることが目標とされています。
住宅の省エネ基準、性能には、ZEH、長期優良住宅、省エネ適合住宅など様々なものがありますが、「BELS(ベルス)」もその中の一つです。

BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System:建築住宅省エネ性能表示制度)は、の頭文字をとったもので、建築物の省エネ性能を評価・認定するための制度です。
住宅建築、非住宅建築によりその評価内容や表示マークは異なりますが、ここでは住宅建築の「BELSの評価基準」について解説します。

BELSの評価基準は、以下に示す2つの評価項目から性能を確認する星の数(1~5)で決定し表示されています。

1.一次エネルギー性能

建物が消費するエネルギー量(空調設備や照明設備等が消費するエネルギー)を示し、省エネ性能を評価する重要な指標。

2.外皮性能

建物の外皮(壁、屋根、窓など)の断熱性といった性能を評価します。

上記基準で評価された数値を星の数(1~5)で表示し、住宅性能を見える化したものが、「BELS基準」というもので、星★★★★★を取得することで、住宅性能の高い家となるわけです。
また、BELS評価は、各住宅会社による基準ではなく、第三者機関による評価なので、信頼性が高いという特徴があります。

(2)BELS表示の見方

ここではBELS表示の見方、記載された内容について見ていきましょう。評価内容は★の多さがポイントです。
★が多いほど、断熱性に優れ、省エネ対策がなされた家ということになります。

Bels表示

は星の数で算定された星数を表示し、最高評価は星5つです。
省エネ基準は星2つです。
BEI=設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量

は削減率で、基準一次エネルギー消費量に対する削減率を表します。

は一次エネルギー消費量の関係を図で示しています。
左側の位置に行くほど省エネ性能が高いことを示します。

は一次エネルギー消費量の基準と外皮性能の基準に適合しているかを表します。

この「BELS基準5つ星」の取得や、省エネ性能の高い家を建築することが可能であることを、ハウスメーカーや工務店が宣伝広告に活用している事例が多く見られます。
BELSの★取得には、断熱材、熱交換付第一種換気システム、複層ガラス、太陽光発電(創エネ)などの要素を組み合わせ、実現させる必要がありそうです。

(3)BELS取得、表示のメリット

BELSの取得、そのメリット3つを整理しました。

1.信頼性の向上

BELSは建築物省エネ法に基づいて登録された第三者評価機関によって評価されるため、信頼性が高いということが特徴です。
省エネ性能が高いという認定を受けるため、星が多くなるほど、性能の高い家であることを示す証となります。

例えば、建売住宅でも、「この家はBELSで★5の評価を取得しています」という情報は、安心して購入、または検討できるポイントになるでしょう。

2.補助金の利用

BELS取得によって補助金や税制優遇を活用できます。
BELS取得には、通常の住宅を立てる場合より初期費用が必要となりますが、省エネ補助金や住宅ローン減税などを活用することで、金銭的負担を抑えることができます。

以前のブログ「ZEHって何?」でZEH補助金について書きましたが、ZEHの場合も補助金を申請するにあたって「BELS認定を受けていること」という条件があります。

3.建物の物件価値が上がる

BELS取得により建物の省エネ性能が明確になるため、物件の価値が高まり、売却する際も高値で取引することが可能となります。
良い性能の家は、短期的にはコストがかかりますが、長期的に見ると、大きなメリットとなります。

 

まとめ

BELSは、建築物の省エネ性能を客観的に評価・認定する制度であり、その取得は信頼性向上や補助金利用、物件価値の向上など多くのメリットがあります。
省エネに対する社会的関心が高まる中、BELSは新築住宅、住宅リノベーション、住宅選びにおいての重要な指標として、注目されています。


参考: