「イギリスの住宅探訪」
住宅事情、種類とユニークな特徴を解説
2023年9月の報告によれば、イギリス、特にロンドンでの住宅事情が急変しています。
賃貸住宅の需要が急増する一方で、金利の上昇や税法改正により賃貸物件の収益が悪化、供給不足が家賃高騰に拍車をかけています。
今回のブログでは、そのイギリスの住宅事情と住宅の種類に焦点を当て、住宅の間取りと特徴を詳しく解説します。
(1)イギリスの住宅事情と住宅の種類
2023年9月の日本経済新聞の記事によりますと、イギリス、特にロンドンでは、新型コロナの収束に伴い、都市部への移動が活発になり、賃貸住宅物件などの需要が急増しています。
しかし、金利の上昇や税法改正などにより、賃貸物件の収益が悪化しており、賃貸需要は高まる一方で供給が追いつかず、家賃がかなり高騰しているとの記事がありました。
現在、イギリス全体で住宅価格の高騰と住宅不足が深刻な問題となっているようです。
イギリスの住宅の種類には、「ハウス」と「フラット」の2つあります。
「ハウス」は一戸建て住宅であり、土地と建物の所有権を持ち、独立した玄関、庭、駐車場を備えるのが一般的です。
ハウスは広々とした空間で、家族やペットとの生活を楽しむことができますが、ハウスは都市部では少なく、主に地方や駅から遠い地域に存在しています。
デタッチドハウス、セミデタッチドハウス、テラスハウス、タウンハウス、バンガロー、コテージなどの種類があります。
一方、「フラット」はアパートメントとも呼ばれ、複数世帯が住む建物です。
ハウスよりも狭く、ペット禁止の場合が多く、収納スペースも制限されています。
共有設備があり、パーパスビルドフラット、メゾネット、スタジオフラットなどの種類があります。
(2)イギリスの住宅間取りの特徴
イギリスの間取りは地域によって異なり、都市部では主にフラットが、郊外ではハウスが多い傾向があります。
部屋数や配置についての表現は、日本のような「◯◯LDK」ではなく、単にbedroomとbathroomの数で表されます。
例えば、1LDK(日本)は、1bedroom + 1bathroomとされます。
3bedroom + 1.5bathroomは、3つの寝室とバスルーム、およびバスタブのない半分のサイズのバスルームを指します。
下記は、イギリスの3bedroom+1bathroomの2階建て住宅の平面図を書いたものです。
その特徴6つを解説します。
1.道路に面して建っている
イギリスの住宅は一般的に道路に面して建てられ、これはプライバシー重視と日照権の確保が理由です。
2.独立性の高いキッチン
キッチンはリビングやダイニングと独立していることが一般的で、これは料理を他の人に見られたくない文化と匂いの拡散を防ぐためです。
3.客間がある
LDKとは別に客間が存在し、家族と来客用のスペースを分ける構造が一般的です。
4.収納スペースが少ない
イギリスの住宅は収納スペースが少ない傾向があり、これは家具を利用して、そこに収納する文化と、物を少なく持つ傾向が影響しています。
5.出窓がある
イギリスの家にはベイウィンドウと言われる出窓のある家が多くあります。
出窓で一般的なのは、平面図にあるような台形に突き出ているタイプです。
6.バックガーデンが多い
多くのイギリスの住宅には小さな裏庭があり、これはお茶を飲んだり、リラックスしたり、植物を育てたり、洗濯物を干したりと多様なプライベートスペースとして重要視されています。
イギリス人は、世界でいちばん家と庭を愛する国民とも言われ、家には大小にかかわらず、工夫を凝らしたがガーデンがあり、自然と調和した飽きのこない家が特徴となっています。
まとめ
イギリスの住宅市場は都市での需要急増と供給不足により、賃貸物件が高騰しています。
イギリスの住宅には「ハウス」と「フラット」があり、それぞれユニークな特徴があります。
間取りについては、都市部と郊外住宅では異なる内容がありますが、主にはキッチンの独立していたり、収納の少なさなどが特徴です。
そして、イギリス人は庭を大切にし、自然と調和する家を好むようです。
参考:
平面図参考:
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