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住宅設計海外の住宅間取り

2024.12.13

「オーストラリアの住宅探訪」最新住宅事情と独持の間取りの秘密

「オーストラリアの住宅探訪」
最新住宅事情と独持の間取りの秘密

 

今回はオーストラリアの住まいについて興味がある方、現地での暮らしを夢見ている方、不動産投資にチャレンジしてみたい方に向けて、オーストラリアの住宅市場の今とその住宅の間取りの特徴をお伝えします。
オーストラリアでは、現在、住宅問題が深刻さを増しています。
ここでは、その背景にある事情、そして政府がどんな取り組みをしているのかについても説明します。
また、オーストラリアならではの住宅の種類や、一戸建ての間取りの特徴など、詳しくご紹介します。
このブログを読めば、オーストラリアでの生活のイメージなどグッと具体的に掴める内容になっています。

(1)深刻化するオーストラリアの住宅危機

 

オーストラリアの住宅市場は現在、深刻な住宅供給不足に直面しており、社会的な問題として注目されています。
住宅不足の影響で、住宅価格や賃料が急騰し、特にシドニーやメルボルンといった主要都市では、20%以上の上昇が見られます。

この住宅危機の背景には、パンデミック後の記録的な移民や留学生の流入、さらに都市部への通勤者の回帰、増加といった要因があります。
都市部では空室率が過去最低の約1%に達し、賃貸物件を確保することすら困難な状況が続いています。

こうした事態を受けて、オーストラリア政府は2029年までに120万戸の新規住宅を建設する計画を掲げています。
また、移民や留学生の受け入れ抑制策の実施も進められる見込みです。

住宅不足を解消するためには、公的住宅の積極的な建設、移民政策の見直しによる人口増加の抑制、そして建設業界への支援拡大が不可欠です。
今後の政策の動向に注目しつつ、持続可能な住宅供給体制の構築が求められています。

(2)オーストラリアの住宅タイプと一戸建て間取りの特徴

 

2-1. 主な住宅タイプ

オーストラリアの住宅には、以下のような代表的な種類があります。

アパートメント:日本のマンションに相当する集合住宅。1つの建物に多数の部屋があり、ジム、プール、地下駐車場などの付帯施設が充実していることが多いです。

フラット:小規模なアパートメントを指しますが、2~3部屋の小さなユニットから大規模な集合住宅まで、さまざまなスタイルがあります。

ユニット:マンションに似た低層住宅で、通常3~4階建て。エレベーターがないことが特徴的です。

一戸建て:オーストラリアで最も一般的な住宅タイプ。特に郊外に多く見られ、独立した建物で、通常2~3ベッドルーム以上の広さがあります。

ホームステイ:部屋を1つ借りる形式で、通常は食事付き。1週間あたり約270~300オーストラリアドルが相場です。

コンドミニアム:一時的な滞在に適した宿泊施設。キッチン付きで、長期的な住居を見つけるまでの仮住まいとして利用されます。

2-2. オーストラリアの一戸建て住宅の間取りの特徴

オーストラリアの住宅平面図

間取り図:「オーストラリアで家を建てる ~間取り図~」を参考に作成しました

1. 平屋建てが多い

土地が広いため、平屋建てが主流です。リビング、ダイニング、キッチン一体化したオープンプランが主流です。
この設計は、開放感があり家族が自然に集まりやすい空間を提供します。また、大きな窓やガラスドアを多用することで、屋内と屋外のつながりを感じられるデザインも特徴です。

2. 玄関に段差がない

靴を脱ぐための段差がなく、靴を履いたまま家に入るスタイルが一般的です。

3. ランドリールームがある

多くの住宅には、洗濯機と乾燥機を置くための専用部屋「ランドリールーム」があります。この部屋は屋外への直接アクセスが可能な場合が多いです。

4. シャワーとトイレが同室

シャワーとトイレが一体化したユニットバスが一般的で、湯船はほとんど設置されていません。日本の風呂文化とは異なり、小さなシャワールームが主流です。

5. アウトドアリビング

バーベキューやプールなど、屋外で楽しむためのスペースを設ける家が多く、アウトドアライフを重視した設計が特徴です。

6. ガレージがある

車社会のオーストラリアでは、多くの一戸建て住宅が広いガレージを備えており、駐車スペースとしてだけでなく、倉庫や作業場としても活用されています。

これら特徴は、オーストラリアの広大な土地やライフスタイルに適応した住宅文化を反映していると言えるでしょう。

まとめ

オーストラリアの住宅事情は、深刻な供給不足と価格高騰に直面しています。
この住宅危機は、移民増加や都市部への人口集中など、複合的な要因によって引き起こされています。政府は新規住宅建設や移民政策の見直しなど、様々な対策を講じていますが、問題の解決には時間がかかりそうです。
一方で、オーストラリアの住宅は、その広大な土地を活かした独特の特徴を持っています。
オープンプランの間取りや、アウトドアリビング、専用のランドリールームなど、日本とは異なる住環境が魅力的です。
これらの特徴は、オーストラリアの気候やライフスタイルに適応した結果であり、現地での暮らしを考える上で重要なポイントとなるでしょう。
住宅問題の解決に向けた取り組みが進む中、オーストラリアならではの住まいの特徴を理解することで、あなたのより豊かな暮らしのヒントになればと思います。

 

参考