【住宅建築の選択肢】
各工法のメリット・デメリットを徹底解説!
2024年2月2日、内閣府に公表した「森林と生活に関する世論調査」によりますと、住宅を購入する場合に「木造」「非木造」のどちらを選ぶかを尋ねたところ、全体の7割が「木造戸建て」を選択しています。
そして、「木造戸建て」の約半数が「在来工法の木造による戸建住宅」を選び、約2割が「ツーバイフォー工法など在来工法以外の木造による戸建住宅」を選んだことが分かりました。
今回のブログでは、日本の戸建て住宅の代表的な工法である、「木造軸組み工法」、「ツーバイフォー工法」、「プレハブ工法」についてその特徴、メリット、デメリットなどを見ていきましょう。
(1)木造軸組み工法
【概要】
日本の戸建て住宅の代表的な工法は木造軸組工法です。
この工法は日本の伝統的な建築方法で、「在来工法」とも呼ばれています。木造軸組工法は、柱や梁で骨組みを作り、筋交いを斜めに入れることで地震に強い構造を持ちます。
【特徴】
この工法の特徴は、間取りやデザインの自由度が高く、広い開口部を作ることができる点です。
また、施工できる会社が多く、リフォームや、増改築がしやすいという利点もあります。
一方、デメリットとしては、住宅会社により品質にばらつきがあること。
耐震性を高めるには耐力壁の量を増やす必要があること。
さらに木造軸組工法は耐火性に劣る場合があることや、害虫被害に弱い可能性がある点が挙げられます。
【代表的なハウスメーカー】
住友林業、一条工務店、タマホーム、三井ホーム、スウェーデンハウス、三菱地所ホームなど
(2)ツーバイフォー工法(木造)
【概要】
ツーバイフォー工法(正式名称:枠組み壁工法)は、北米の伝統工法です。
米国、カナダでは戸建て住宅のほとんどがこの工法で建てられています。
このツーバイフォー工法は、角材のサイズが「2インチ×4インチ」であることから名付けられています。
この工法は、角材と合板を組み合わせて壁や天井、床、屋根部分を構成し、箱状の空間を作るシンプルな方法です。
【特徴】
特徴としては、高度な技術が必要ないことや、断熱気密性を高くしやすいこと。イフォー工法の住宅は、面で建物を支える構造を持つため、一般的に耐震性が優れていると言われています。
ツーバ
実際、日本ツーバイフォー建築協会によると、津波や地震などの災害において、ツーバイフォー住宅の98%が補修なしで居住可能であることが報告されています。
また、部材も少なく、工法がマニュアル化されているため、品質のバラつきが少ないという利点もあります。
一方、デメリットとしては、軸組工法のように大きな開口部を設けることはできません。
例えば、軸組工法ならできる天井まであるハイドアや高窓の設置は難しいと言えます。
また、軸組み工法に比べ、後からリノベーションをしたいと思っても、間取りの変更を伴うような大きな工事が思うようにできない、ということもあります。
【代表的なハウスメーカー】
三井ホーム、スウェーデンハウス、セキスイハイム、パナソニック ホームズなど
(3)木質系以外のプレハブ工法
【概要】
プレハブ工法とは、「工場で事前に部品を製作し、現地に運んで組み立てる建築方法」です。
この工法は戦後の深刻な住宅不足を解消する為、高品質な規格住宅を大量生産するという目的で誕生しました。
【特徴】
この工法の特徴は、工期が短くコストを低減できること、工場内での生産によって品質管理が徹底される点です。
また、耐震性、断熱性が一定レベルで保証されている点やアフターメンテナンスが充実していることなどあげられます。
デメリットとしては、設計の自由度がやや制限されること、自由な間取りやデザインを実現しにくい場合があります。
一定の寸法で規格化されているため、敷地対応力が制限される可能性もあることに留意する必要があります。
【代表的なハウスメーカー】
ミサワホーム、セキスイハイム、ヤマダホーム、トヨタホームなど
まとめ
日本の戸建て住宅において、「木造軸組み工法」は伝統的な在来工法であり、自由な間取りやデザインが可能ですが、耐震性や耐火性に課題があります。
一方、「ツーバイフォー工法」は北米で広く使われ、耐震性が高く、工法のマニュアル化により品質が安定していますが、大きな開口部の設置が難しい面があります。
そして、「プレハブ工法」は工期の短縮や品質管理の徹底が特徴ですが、設計の自由度にはやや制約があります。
どの工法にも一長一短があり、完璧な工法はありません。
それぞれの工法の特徴を理解し、ご自身のライフスタイルや予算に合った工法を選ぶことが重要です。
参考:
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