未来を築く住宅デザイン
注文住宅がSDGsに貢献する5つの要素
SDGs(Sustainable Development Goals)は、2030年までに世界が達成すべき17の国際目標を掲げた取り組みです。
その中で、住宅建築が環境や社会に与える影響を考慮し、SDGsに貢献することが求められています。
今回のブログでは、注文住宅におけるSDGsの取り組みに焦点を当て、省エネルギー、リサイクル素材の活用、パッシブデザイン、地域社会との連携、そしてバリアフリーデザインの採用といった5つのポイントについて解説します。
(1)そもそもSDGsとは
SDGsとはSustainable Development Goalsの略称で、直訳すると「持続可能な開発目標」です。
SDGsは、2015年の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された国際目標で2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットが定められています。
「持続可能な開発目標」には、貧困や飢餓を終わらせて持続可能な農業を促進することや全ての人に質の高い教育を確保すること、気候変動への対策を講じること、持続可能な経済成長や働き甲斐のある雇用の促進、陸上や海洋資源の保全や持続可能な利用の推進などがあり、具体的な17のゴールには、以下のものがあります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任、つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
(2)SDGsな住宅設計 5つのポイント
では、建築としてSDGsの開発目標に貢献できる部分は、どのような内容なのでしょう。
住宅建築としてSDGsに取り組む場合、まず、考えられるのは、省エネルギーな住宅を作るということ選択することが、地球環境を考えるうえでは大きな貢献ポイントとなります。
省エネルー住宅とは、自然エネルギーを活用した光熱費が掛からない住宅です。
これは、開発目標で言うと、「開発目標7のエネルギーをみんなに。そしてクリーンに」に貢献する項目に該当します。
ここでは、SDGsに貢献する住宅にするポイントを5つに絞り、整理しました。
[ポイント1] エネルギー効率と省エネ設計
エネルギー効率を高めることは、注文住宅の持続可能性を高めるポイントです。
高性能な断熱材の使用や二重窓の導入により、冷暖房のエネルギー消費を削減することが出来ます。
また、太陽光パネルを屋根に設置して家庭で「再生可能エネルギー」を利用することは、太陽光発電によって得られた電力で家庭用電化製品や電気自動車を稼働させることができ、住宅からの二酸化炭素排出量を大幅に削減することができます。
「関連するSDGs:7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」
[ポイント2] リサイクル素材の活用
持続可能な素材の選定も環境への配慮を示す重要なポイントです。
家を作るときに使用する木材のうち、森林管理が行われたものを使用することで、森林資源の保護と再生を支援出来ます。
さらに、廃棄物の削減を目指すことで、再生可能な素材やリサイクル可能な建材を選び、それらを再利用して家具や内装を作ることでも実現できます。
「関連するSDGs:12.つくる責任、つかう責任」
[ポイント3] 健康と快適性の追求「パッシブデザイン」
家づくりにおいては、これまでより断熱性能を高め、太陽光や風など、自然の力を活用するパッシブデザインを採用することでエネルギー消費やCO2排出量を抑えることが出来るでしょう。
パッシブデザインとは、自然の力を活用する設計手法です。
例えば、季節によって変化する日射しの角度を踏まえて窓を設計すれば、照明なしでも明るい室内が実現します。
また、夏は極力日射しを遮って室温の上昇を抑え、冬は日射しを活用して逆に室温を上げることができます。
「関連するSDGs:3.すべての人に健康と福祉を」
[ポイント4] 地域社会との連携と社会貢献
地域の特性や資源を活かすことで、地域社会への経済的な貢献が期待できます。
住宅建設では、地元の工房や職人と連携して建材を調達したり、地域の伝統的な建築スタイルや文化を取り入れたりすることが考えられます。
これにより、地域経済の活性化と共に地域社会との結びつきを強化できます。
「関連するSDGs: 11.住み続けられるまちづくりを」
[ポイント5] バリアフリーデザインの採用
高齢者や障害者にも快適に住むための工夫がされた、バリアフリーデザインを取り入れた住宅は、社会的な包摂を促進し、地域社会全体の持続可能性にも貢献します。
住まいのバリアフリー化は、安心で、安全な暮らしを持続するための基本です。
段差の解消、生活動線上での手摺り取り付け可能な下地にすることなど、誰もが住み続けられる住居がSDGsに貢献します。
「関連するSDGs:10.人や国の不平等をなくそう」
「関連するSDGs:3.すべての人に健康と福祉を」
まとめ
SDGsを具現化するためには、住宅建築においても積極的な取り組みが求められます。
日本では2025年度から省エネ基準の適合が義務化されることが決定してますし、世界に比べて低かった日本の断熱性能レベルも断熱等性能等級6、7が新設されるなど、持続可能な未来に向け、確実に踏み出しています。
住宅建築に関わる様々な選択肢がSDGsの達成にも貢献することを理解し、個々の行動が世界、社会にポジティブな変化をもたらすことを実行していきたいものです。
参考:
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