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2024.10.25

【注文住宅】コストダウンで後悔しないために!絶対に削ってはいけない10のポイント

【注文住宅】コストダウンで後悔しないために!
絶対に削ってはいけない10のポイント

 

前回は、注文住宅のコストダウンについて解説しましたが、今回は、注文住宅で絶対に削ってはいけない部分に焦点を当てます。
家は、家族が日々生活する場であり、10年、20年、30年と長期的に長時間過ごす場所です。
コストダウンは、構造や安全性に関わる部分、そして、快適な暮らしに直結する部分は避ける必要があります。
今回は、コストダウンと品質のバランスを取りつつ、理想の住まい実現するためのヒントを紹介します。

(1)構造や安全性に関わる部分はコストダウンしてはいけない


ここでは、注文住宅のコストを考えるうえで、絶対にコストカットしてはいけない、家の寿命や安全性に関わる5つの内容について解説します。

1. 基礎部分

最もコストダウンしてはいけない部分は基礎工事に関するところです。
基礎は家全体の構造を支える部分で、地震や家の重さに耐える強度が必要です。
基礎が不十分だと、将来的な沈下や亀裂のリスクを高めます。
修繕が必要となれば、大きなコストがかかるため、初めからしっかりした基礎を築くことが重要です。

2. 耐震・耐火(構造材)

日本は地震大国です。耐震性能を高めることは、家族の安全を守るために不可欠です。また、耐火性能も生命と財産を守る重要な要素です。
耐震性能が不十分な場合、大地震時に倒壊の危険があり、人命に関わる重大なリスクが発生します。
構造材の質を下げると、家全体の寿命や安全性に悪影響を及ぼします。

国の耐震等級のレベルは1、2、3とあり、耐震等級3が最も耐震性能が高い評価になります。
長期優良住宅の壁量基準については「耐震等級3」となっており、最も高い耐震等級です。この基準を満たせば、大きな地震でも損傷が少なく、居住性を長く維持できることが期待できます。

3. 防犯・セキュリティ

家の安全を確保するための防犯設備やセキュリティシステムも、コストダウンすべきではありません。
家の安全を守るセキュリティシステムは、家族の心の平和をもたらす重要な要素となります。
例えば、スマートロックシステム、防犯カメラ、センサーライト、窓ガラスの防犯フィルム、さらには24時間監視システムなど、多層的な防犯対策を講じることが重要です。
また、これらを設置することで保険料軽減にもつながります。

4. 屋 根

屋根は家を雨や雪、強い日差しから守る重要な役割を果たします。
そして、屋根材には様々な種類がありますが、安価なものを選ぶと耐久性やメンテナンスの頻度に影響が出る可能性があります。
安価なスレート屋根は初期費用が低いですが、定期的なメンテナンスが必要です。
また、屋根の形状も重要です。シンプルな形状(例:切妻屋根=三角屋根)にすることで、コストを抑えることができます。
複雑な形状は施工費用が高くなるため、シンプルなデザインを選ぶと良いでしょう。

5. 外 壁

外壁は家の顔であり、家の内部を外気から守る重要な役割を果たします。
また、外壁はある程度の年数が経てば必ず劣化するので、家が完成した後にメンテナンスが必要となります。
新築の場合は耐久性に優れた外壁を使用することで、メンテナンスも簡単にすることができます。
外壁材の選択は、耐久性、メンテナンス性、断熱性能、そして美的要素のバランスを考え、選択する必要があります。


(2)断熱性能など快適性も重要


ここでは、快適な暮らしと資産価値を高めるために、絶対にコストカットしてはいけない5つの内容について解説します。

1. 断熱材

断熱性能が低いと、夏は暑く冬は寒い家になり、快適な生活が難しくなります。また、結露やカビの原因にもなり、家の劣化を早める可能性があります1。
高品質な断熱材の使用すれば、エネルギー効率を高め、長期的には光熱費の削減につながり、室内の快適性を大幅に向上します。

新築住宅には、住宅の断熱性能を示す指標があり、数字が大きいほど高断熱な家となります。
2025年以降の新築住宅では、断熱等級4以上が義務化される予定です。
断熱等級5以上は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準を満たしており、高断熱な住宅と言えます。
さらに断熱等級6・7では、最も高い断熱性能を示しており、極寒地や暑熱地など、厳しい気候条件下でも快適に暮らすことができます。
これら基準値を理解し、暮らす地域に見合った断熱性能を備えることが大切です。

2. 給排水設備や配線

給排水設備や配線は目には見えにくい部分ですが、給排水設備や電気配線の質は、日々の生活の快適さに直結します。
これらは、住宅完成後の修繕となるとコストがかかります。
特に給水管については、耐久性の高い材質(例:架橋ポリエチレン管やステンレス管)を選択し、凍結防止対策や水圧調整弁の設置など、地域の特性に応じた対策も検討すべきです。

3. 換気システム

換気は室内の空気の質を保つために必要です。
適切な換気システムがないと、湿気や結露が溜まり、カビの原因になります。
特に、断熱性の高い家では密閉性が高くなるため、換気システムの品質が重要な要素となります。

換気システムには、自然換気、第1種換気(給気・排気ともに機械)、第2種換気(給気のみ機械)、第3種換気(排気のみ機械)があります。それぞれに特徴があり、家の構造や生活スタイルに合わせて選択する必要があります。
換気システムへの投資は、健康的な住環境を維持するために特に重要です。初期コストは多少高価になりますが、快適性の向上や住まいの長寿命化につながる重要な要素といえます。

4. 窓

窓は安価なものはお薦めできません。
窓は、騒音、防犯、セキュリティ、断熱、採光、通気性にも影響する重要な部分です。
高性能な窓は、断熱性能を高め、外部騒音を軽減し、居住空間の質を大きく向上させます。
窓の性能は、ガラスの種類や枚数、フレームの材質によって大きく変わりますし、窓の配置や大きさも重要です。
窓の配置は、南面に大きな窓を設置することで、冬の日射熱を効果的に取り入れることができます。

5. こだわり

注文住宅は、快適性と安全性を最優先しながら、家族の暮らしに合った「こだわり」も形にすることで、より長く愛着を持てる住まいになります。
キッチンやバスルーム、動線計画など、自分だけの「こだわり」を叶えることは、将来的にも住まいの満足度に大きくつながります。
コストダウンするところは必要ですが、快適性や安全性、そして「こだわり」の部分については、妥協しないことが大切です。

まとめ

注文住宅は、一生に一度の大きな買い物です。
コストダウンは重要ですが、安全性や快適性といった、住まいの基本性能を軽視することは避けましょう。 基礎や構造、設備など、長期的な視点で見ると、これらの部分への投資は、住まいの寿命を延ばし、ランニングコストを削減することにつながります。
家族の安全と快適な暮らしを守るためにも、これらの要素をしっかりと見極めることが大切です。

 

参考: