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2024.08.23

誰もが安心して暮らせる家づくりバリアフリー設計とスマートホームの融合

誰もが安心して暮らせる家づくり
バリアフリー設計とスマートホームの融合

 

高齢者や障がい者にとって優しい住まいって、どんな工夫が必要なの?
バリアフリー設計って具体的に何をすればいいの?
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回のブログでは、バリアフリー住宅の基本から実践的なポイント、さらには高齢者に優しい最新のスマートホーム技術まで、高齢者や障がいのある方に配慮した住宅づくりの全貌をお伝えします。
この内容を読むことで、高齢者が安心して暮らせる住まいづくりのエッセンスが分かり、将来を見据えた住宅リフォームや新築住宅の参考にしていただければ幸いです。

(1)バリアフリー設計の基本と実践

バリアフリー住宅の設計の基本は、「段差の解消」、「転倒予防」、「温度管理」と言えるでしょう。
バリアフリー設計は、高齢者や障がい者が自宅で安心して、快適に生活できる家であり、これは健常者にとっても有効な部分はたくさんあります。
注文住宅では設計の段階から細かい配慮を行い、将来的なニーズにも対応できる住まい作りを心掛けることが大切です。
ここでは、住宅の場所別にバリアフリー設計のポイントを押さえておきましょう。

1.玄関とアプローチ

・玄関の段差をなくし、スロープを設置することで、車椅子や歩行補助具を使用する方がスムーズに出入りできるようにします。
・玄関の扉は引き戸を採用します。
・車椅子や歩行器を使用する際に十分なスペースを確保するため、玄関を広めに設計します。

2.バスルームとトイレ

・バスルーム、トイレは、車椅子での移動が可能な広さを確保し、手すりを設置することで安全性を高めます。
・バスルームは、介護者と一緒に入れる広さと滑りにくい素材を採用します。
・ヒートショック対策を行います。
・トイレ内に手すりを設置し、車椅子が回転できるスペースを確保します。
・トイレは寝室の近くに設置します。

3.キッチン

・作業台は立ったり座ったりしやすいように、作業台の高さを調整可能にします。
・キッチン収納は手の届きやすい位置に配置し、引き出し式の収納を採用します。
・ガスではなくIH用のものを採用します。

4.廊下と扉

・廊下の幅を広く設計し、車椅子が通りやすいようにします。最低でも90cm以上の幅が推奨されます。
・廊下はできるかぎり短めにします。
・車椅子や歩行器を使う際、開き戸よりも引き戸の方が出入りがしやすく、スペースも効率的に使えます。

5.リビングと寝室

・滑りにくく、かつクッション性のある床材を選ぶことで、転倒のリスクを軽減します。柔らかいフローリングやコルク素材などが適しています。
・家全体の床をフラットにし、段差をなくします。
・断熱性能を高めることや、適切な空調設備を導入することで部屋間の温度差を少なくし、快適な室内環境を保ちます。

6.適切な手すりの配置

・廊下、階段、浴室、トイレなど、身体のバランスを取りやすく、高齢者の移動をサポートする、手すりの設置は不可欠です。
・手すりは握りやすい形状や高さに調整し、耐久性のあるものを選びます。

7.災害時の備え

・災害時や緊急事態に備え、緊急通報システムを導入することが重要です。
・停電などに備えとして、太陽光発電などでエネルギーを確保する仕組みを導入します。


(2)高齢者に配慮したスマートホーム技術

前段の災害時の備えにもある緊急通報システムに代表されるスマートホーム技術は、高齢者の安全性をサポートする為の不可欠なものです。
ここでは、さらに様々なスマートホーム技術、機能について紹介します。

1.安全性を向上させる技術

・防犯カメラとセンサー: 家の周囲や内部を常時監視し、異常を検知すると家族や管理センターに通知します。
・緊急コールシステム: 緊急時にボタンを押すだけで、迅速にサポートを呼び出すことができます。
・スマートロックとスマートセキュリティシステム: 不審者の侵入を防ぐためにスマートロックやセキュリティカメラを使用し、高齢者が安心して生活できる環境を提供します。
・窓にセンサーを付ける:センサーが窓の開閉をキャッチし、スマホに通知がくる仕組みです。

2.生活の快適さを向上させる技術

・スマートスピーカーと音声認識: 照明や家電の操作を声で簡単に行うことができ、高齢者が手を使わずにテレビをつけたり、電気を消したり日常のタスクを行えるようにします。
・センサー付き照明: センサーによって人の動きを感知し、部屋の照明を自動的にオン/オフするシステムです。これにより、夜間の移動中に手でスイッチを探す必要がなくなり、つまずきや転倒のリスクを軽減します。
・室内の温度管理:スマートホームでは、室内の温度と湿度のモニタリングもあり、その数値をもとに自動でエアコンのON・OFFを切り替える設定も可能です。

3.健康管理と見守り

・健康管理デバイス: スマートウォッチやウェアラブルデバイスで、心拍数や血圧、睡眠状態を常時モニタリングし、異常があれば家族や医師に通知するシステムです。
これにより、早期に健康問題を発見し、迅速に対応することができます。
・遠隔見守りシステム: 離れて暮らす家族が高齢者の状況を確認できるように、ネットワークカメラやセンサーを活用した見守りシステムが構築されています。
これにより、孤立しがちな高齢者の見守りが可能になります。

4.コミュニケーションの促進

・ビデオ通話機能: スマートディスプレイを通じて、遠隔地にいる家族や介護者とのコミュニケーションを容易にし、孤独感を軽減します。

これらスマートホーム技術の導入は、高齢者が自宅でより安全で、自立した生活をおくることをサポートします。
また、高齢者の日常生活の質も向上させ、家族にとっても安心を提供する重要なツールとなっていくでしょう。


まとめ

バリアフリー設計は、高齢者や障がい者だけでなく、すべての人にとって快適な生活環境を提供します。段差の解消や転倒予防、温度管理を基本に、各部屋や設備に細やかな配慮が必要です。
さらに、スマートホーム技術の導入により、安全性と生活の質を大幅に向上させることができます。
これらの技術は、緊急時の対応から日常生活のサポート、健康管理、コミュニケーション促進まで幅広く活用できます。
バリアフリー設計とスマートホーム技術を組み合わせることで、高齢者や障がい者が自立して安全で安心して暮らせる住環境を実現できるのです。

参考: